ドローン x AIが今アツい!スイス山岳救助隊が人命救助に活用

世界中で注目を浴びているドローンとAI。両者を組み合わせることで、世界各地のあらゆる分野において革新的なソリューションが生み出されています。空撮や測量、点検以外にも、ドローンが活躍できる場面はたくさん。この記事では、スイスの山岳地帯での人命救助におけるドローン x AIの活用事例をご紹介します。日本にも山が点在しており山登りをする機会がたくさんあるので、日本にとっても注目の事例です!

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AIを搭載したドローンの目は人間の目を超える!高認識率で要救助者を特定

世界中から観光客が訪れるスイス。美しいアルプスを目がけて訪れる人が増える中で、ハイキング中の負傷・遭難も多発しており、いかに救助要請に対して迅速かつ効率的に対応できるかが課題となっています。年間の救助要請は約1,000件とのこと。スイスには氷河の割れ目であるクレバスも存在しており、クレバスに人が落ちたら救助部隊が助けに行くのも至難の業。しかしドローンであれば、高リスクが伴うクレバスにおける人命救助も可能です。そこで、スイスでは救命活動においてドローンとAI技術の導入を始めました。チューリッヒ大学や非営利の人工知能研究所、SUPSIなどが主導となり、AIを搭載したドローンによる山岳地帯での人命救助に向けた共同研究が行なわれています。

共同研究においては、AIを搭載したドローンがハイキングコースをカメラで識別しながら飛行し、救助要請があったエリア付近で要救助者を探し当て、当該位置を救助部隊に送信するよう実証実験が行なわれているとのこと。ドローンがこの任務を遂行するためには、要救助者を正確に識別するための画像認識・解析を始めとするAIの技術が必要です。したがって、研究チームはディープニューラルネットワークの1つである畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、以下CNN)ベースのアルゴリズムを利用した映像分類機をドローンに装備することで、ドローンによる要救助者の認識率を向上しているとのことです。

世間ではシンギュラリティ(=AIが人間の知能レベルを超える特異点)という単語が注目されているように、ディープラーニングによる画像認識の精度は、人間の認識制度を超えたという研究結果も出ていることを受け、スイスでは人間の目よりも確実に要救助者を特定するための方法として、AIを搭載したドローンの活用が期待されています。

スイスに点在する氷河の割れ目「クレバス」でもドローンを活用!

スイスの山岳救助におけるドローン活用自体はすでに始まっており、2015年にはスイスの山岳救助隊Zermatt Glacierがスイス発のドローン会社Flyabilityが開発した「Gimball(ギンボール)」の導入を決定。Gimballは、障害物の多い場所や狭い空間でも飛行できるため、ドローンにHDカメラと強い光を発するライトを搭載することで、スイスのクレバスのような暗い氷の割れ目を飛行して要救助者を探すことができるのです。

▼気になるGimballの勇姿(映像)はこちらから見れます!

www.youtube.com

ドローン x AIの海外事例、いかがでしたか?ドローンが我々の生活にもたらしてくれる恩恵は無限大。ドローンがスマホと同じく日常生活で活躍する日も近いかもしれませんね!


この記事を書いた人|ゆずき
旅と脚本にハマっている自由人。サイギグでマーケティングを務めている。2017年にサイギグが立ち上がった当初に学生インターンとして働いていたが、新卒ではITコンサルティング企業に入社。デジタルマーケティングに携わった後、2年の時を経ってサイギグに戻って今に至る。旅と書くことが好きで、印税生活で旅することを夢見ている。社会課題解決×テクノロジーに関心をもち、将来はソーシャルビジネスのマーケティングをしたいと考えている。