ここ数年で、「ドローン」、「AI」という単語を目にする機会が増えました。実はドローンとAIの相性は抜群で、両者をかけ合わせることで各業界のさまざまな課題に対するソリューションを生み出すことができます。この記事では、ドローンx AIの国内事例3選をお伝えします。ドローンやAIとは無縁と思っている方にとっても、意外なドローン x AIの活用方法が見つかるかも?
エンルート|ドローンとAIで点検
エンルートは、測量やインフラ点検、災害調査における産業用ドローン向けサービスを提供しています。エンルートは、AIを取り入れた一般消費者向けサービス展開も始動し、ドローンを購入したカスタマーによるドローン x AIの活用方法のアイディア共有を促進すべく、情報交換サイト「AI DRONE(アイドローン)」を立ち上げ予定とのこと。AIを活用してドローンの自動飛行を実現するソフトウェアを消費者向けに提供予定とのこと。AIを使えばドローンが自ら進行方向を判断して飛行できるようになるが、そのためにはドローンに搭載したカメラで大量の画像を撮影・取り込み、AIに学習させる必要があります。そこで、一般消費者向けサービスを展開することによって、AI向け学習データを消費者に作成してもらうことが可能となるのです。
センシンロボティクス|ドローンとAIでサビ・腐食を自動検知
センシンロボティクスは、太陽光発電設備や送電線などの設備点検においてドローンとAIを組み合わせたソリューションを提供しています。ドローンを活用した鉄塔点検パッケージである「TOWER CHECK(タワーチェック)」β版の提供を2018年より開始。TOWER CHECKは、自動運転ドローンで点検対象の鉄塔を空撮し、その空撮データをAIで画像認識/解析することで、鉄塔のサビや腐食を自動検知します。さらには点検結果のレポートも自動で作成。TOWER CHECKはドローンの自律飛行、画像認識/解析、そしてレポート作成までの一連の流れを自動化する日本初のサービスで、点検における人件費の削減および作業効率の向上に寄与します。
オプティム|ドローンとAIでスマート米栽培
オプティムは、ドローンを用いた画像解析ソリューションを提供しています。中でも農業においてはスマート米栽培を促進。オプティムが推進するスマート米栽培とは、ピンポイント農薬散布テクノロジーを駆使した米栽培方法のこと。このテクノロジーは、農薬の利用による環境ダメージから病害虫の駆除まで、さまざまな課題と対峙している日本の米農家の救世主です。たとえば、環境に配慮して除草剤を減らすと雑草が生え、殺虫剤を使わないと害虫が増加してしまうため、米の収穫量が減少してしまいます。田んぼの生態系を守るためには、大型機械で米栽培地全体に一気に農薬を撒くのではなく、少量の農薬をこまめに散布して最低限の防除に留める必要があります。しかし、このような環境に配慮した農業のやり方はとても手間がかかるもの。そこでオプティムのスマート米栽培テクノロジーを利用すれば、ドローンが人間の代わりに田んぼを観察してこまめに農薬を散布してくれるため、農家の負担を減らしつつ環境により配慮した栽培が可能となるのです。労働人口が減少し、農家の高齢化が進む日本において、ドローンとAIを駆使したスマート米栽培テクノロジーの活躍に今後ますます期待ですね!
この記事では3つの事例をご紹介しましたが、この他にもドローンとAIを組み合わせたソリューションはたくさん存在します。課題先進国と呼ばれる日本において、今後どんどん革新的なドローン x AIソリューションが生まれる予感。次回はドローン x AIの海外事例をご紹介しますので、お楽しみに!
この記事を書いた人|ゆずき
旅と脚本にハマっている自由人。サイギグでマーケティングを務めている。2017年にサイギグが立ち上がった当初に学生インターンとして働いていたが、新卒ではITコンサルティング企業に入社。デジタルマーケティングに携わった後、2年の時を経ってサイギグに戻って今に至る。旅と書くことが好きで、印税生活で旅することを夢見ている。社会課題解決×テクノロジーに関心をもち、将来はソーシャルビジネスのマーケティングをしたいと考えている。