ドローンが活躍する省エネ社会に向けたDRESSプロジェクトとは?

21世紀ではテクノロジーが急速に進歩し、ドローンが荷物を自宅まで届けてくれたり、災害時に無人ドローンが救助にやってきてくれたりする時代が現実になろうとしています。

そんな中、経済産業省 / NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構)による新たなプロジェクトが始動しました。その名も「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」。通称DRESSプロジェクト(Drones and Robots for Ecologically Sustainable Societies project)。

本日はDRESSプロジェクトの全貌に迫ります!

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「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」とは?

オンラインショッピングの普及とともに、商品を注文すればすぐに届く時代が到来しました。しかし、消費者が無意識にオンラインショッピングを利用する裏では、小口輸送の増加や積載率の低下などにより、エネルギー利用の効率化が求められています。低コストで省エネルギーな新しい物流サービスが期待される中、ドローンが活躍する省エネ社会に向けてNEDOが取り組むDRESSプロジェクトについてご紹介します。

NEDOが目指すドローン活躍社会の姿はこの通り。

  • 都市と都市の間における物流拠点間でのドローンハイウェイ
  • 居住地域における配達および遠隔操作ドローンによる警備
  • ドローンによる災害調査や救援物資の輸送

NEDOが目指すドローン活躍社会の実現のためには、ドローンが安全に飛行できる環境を整えることが必須です。そこで、NEDOが研究開発・実証実験に取り組んでいるのが、運航管理システムと衝突回避システム。それぞれのシステムが安全なドローン活躍社会に向けてどのような役割を果たすのか見ていきましょう!

運航管理システムとは?

運航管理システムとは、名の通り多数のドローンの運航を管理するシステムのこと。なぜこのシステムが必要なのかというと、自律飛行ドローンの運航管理システムはドローンが行なうサービス(物流や警備、点検など)ごとに異なっているからです。ドローンが普及していくにつれ、今後はこれらのドローンが同じ空域で同時に飛ぶことが想定されているため、NEDOは複数の飛行計画を統合して一元管理できる「運航管理システム」の開発を行なっているのです。 運航管理システムの仕組みとしては、まず地図情報や気象情報などを始めとするドローンの安全飛行に必要な情報を空域全体に配信します。そしてその空域に併存する異なった複数のシステムを運航管理機能として運航管理統合機能で束ねることで、目視外の完全自律飛行でもぶつからない安全なドローン飛行を可能にします。 同じ空域に異なる分野の事業者がドローンを飛ばすシチュエーションに備えるためのテストとして、NEDOは運航管理システムの実証実験を福島ロボットテストフィールドの周辺空域において行なっています。災害調査、警備、物流および郵便の異なる用途をもつドローン計10機を同時に飛行させ、ドローン同士の飛行経路が重複した場合に運航管理統合機能が自動で飛行計画を見直した上で、観測された気象条件にもとづき離着陸を誘導。NEDOによる異なる用途で飛ばされた多数のドローンを同空域で安全に飛行させるためのテストは、無事成功しました。

衝突回避システムとは?

現在有人航空機とドローンでは、飛行高度などによって飛べる空域を分けられていますが、災害現場では救難ヘリコプターが低空を飛行する場合があります。このようなときにドローンが自律で衝突を回避する機能があれば、有人航空機もドローンも同じ空域で安心して飛行できます。そこでNEDOが開発しているのが、ドローンが同じ空域で飛行するドローンまたは有人航空機と衝突しないための衝突回避システム。 NEDOは最先端のセンサーを用いた衝突回避システムの開発を行なっており、ドローン同士、またはドローンと有人ヘリコプターの衝突を回避するためのあらゆる条件を想定し、接近した状況でのセンサーによる観測や回避の実験を行ないました。空中での衝突回避には高度の計測が必須であるため、準天頂衛星システムを利用した正確な高度の計測と探知センサーなどを組み合わせたとのこと。この実証実験ではドローンに回避の挙動を模擬した経路を飛行させ、衝突回避システムが問題なく作動することを確認しました。 ドローンが災害調査、警備、物流および郵便を始めとするあらゆる分野で活躍する社会の実現には、NEDOが取り組んでいる各種システムの開発を通じて、ドローンが安全に飛行できる環境を整えることが必須です。今後、国内外でドローン開発が加速し、複数の運航管理システムが並存していくことが予想される中で、これらが同じ空域で安全に運航できるよう、NEDOは運航管理システムのAPIを公開していくとのこと。このシステムの国際標準への提案も視野に入れて、安全にドローンを飛ばせる社会を目指しているようです。

▼参照:こちらのビデオを参考にさせていただきました。

youtu.be

NEDOも提言しているように、空のイノベーションを通じて「Society5.0」および「データ駆動型社会」の到来もすぐそこかもしれませんね!


この記事を書いた人|ゆずき
旅と脚本にハマっている自由人。サイギグでマーケティングを務めている。2017年にサイギグが立ち上がった当初に学生インターンとして働いていたが、新卒ではITコンサルティング企業に入社。デジタルマーケティングに携わった後、2年の時を経ってサイギグに戻って今に至る。旅と書くことが好きで、印税生活で旅することを夢見ている。社会課題解決×テクノロジーに関心をもち、将来はソーシャルビジネスのマーケティングをしたいと考えている。