狭所点検用小型ドローン「Elios」を使ってみた感想は?

Flyability社の狭所点検用ドローンEliosは既に海外の点検事業会社から利用されていますが、実際に利用してみた評判が気になるところですよね。Flyability社の英語公式サイトに点検事業者によるレビューが掲載されていたので、翻訳してご共有します!

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RoNik Inspectioneeringとは?

RoNik Inspectioneeringは、オランダを拠点とした点検サービス会社で、点検関連のさまざまなタスクにロボットを活用することを専門としています。RoNikが狭いスペースでの点検用に設計されたFlyabilityの衝突耐性ドローンであるElios 1を使用して飛行したミッションは200以上。RoNikのチームはEliosの屋内点検活用について豊富な知識と経験を有しています。

Elios 2がリリースされた際、RoNikチームはEliosがどのようにElios 1と比べて改良されたのか、そしてElios 2でできることを確かめるため、自らテストを実施。

RoNik Inspectioneeringは、Flyabilityの新しいドローンElios 2を丹念にテストし、Elios 2をいかに屋内点検に活用できるかについて15回のテストフライトを通じて実証した結果、Elios 2を正式な屋内点検ツールとして活用するとの結論に至りました。

ELIOS 2ドローンが屋内点検作業を完全自動化

Elios 2を徹底的にテストするために、RoNik Inspectioneeringの創設者であるSteven Verver氏は、15の異なるテストシナリオを選定。テストの結果、Elios 2はVerver氏の期待をはるかに超える性能を発揮。屋内点検向けのテストシナリオには、系統的かつ安定した飛行が求められる煙突やパイプラインの点検も含まれており、ドローンを狭所点検に活用できることを実証しました。

15回にわたるテストを通して、RoNikチームが特に評価したElios 2の特徴は、安定性、使いやすさ、飛行中に点検対象物から一定の距離を保つ能力(距離ロックと呼ばれます)、高品質の画像、そして点検対象物の奥行きと寸法を余すところなく見えるようにする斜光。Elios 1も非常に有用な情報を提供していましたが、RoNikチームによると、Elios 1のデータを手動で収集されたデータで裏付ける必要があったとのこと。そのため、RoNikの担当者は、すべての機能をテストするだけでなく、Elios 2が点検中に手動でデータを収集する必要性を完全に省くことができるかを確認したいと考えていました。

そこで、テスト中は下記項目の確認を行ないました。
Q. Eliosn2は公式のAPI510検査(=第三者検査機関が監視する圧力容器の検査)に使用できるか?
A. できる
Q. Elios 2は従来のタンク点検における手動点検の手間を完全に置き換えることができるか?
A. できる
Q. Elios 2を使用して大型ボイラー(深さ50メートル/ 164フィート)を検査できるか?
A. できる
Q. Elios 2を使用して、1つのアセットも見逃すことなく、複雑で似通った一連のアセットを検査することができるか?(アントワープの複合施設で300のバーナーが点検されました)
A. できる

これらすべてのテストを通じて、Elios 2はRoNik Inspectioneeringチームがこれまで使用してきた中でも最高の点検用ロボットソリューションであり、RoNikはテストされた各インスタンスの手動データ収集を完全に自動化できたとのこと。

正式な点検ツールとして認められたElios 2

RoNik Inspectioneeringは、Elios 2を手動点検の代わりに使用できるかどうかを徹底的にテストしました。テストを監視していた2つの公的検査機関の代表者は、Elios 2を正式な点検ツールとして承認しました。

不十分なメンテナンスにより爆発して人を死亡させる恐れのある圧力容器などの危険なアセットの点検方法については、ほとんどの国で、特定の基準を確実に満たすためのアセット点検方法に関する法的要件があります。これらの要件の多くは国際的に認められており、点検中に正式な検査機関の公式代理人がいることや、指定された正式な点検ツールを使用していることが要件として含まれています。正式な点検機関の代表者は、点検にドローンまたは任意の種類のカメラを使用することに慎重になることが多く、これらの種類の技術を正式な検査ツールとして承認することを躊躇することがあります。 たとえば、多くのドローンがボイラーに飛び込んで重要なビジュアルデータを提供することはできますが、アセット全体のオブジェクトごとのビジュアルデータをキャプチャできるように安定化することはできません。

Elios 2はこれらの問題をそれぞれ解決し、ライブフィードを見ているインスペクタがアセット全体を完全かつ体系的に網羅し、新しい斜め照明機能を使用してアセット内の各オブジェクトを詳細に確認できるようにします。徹底的なテストの結果、RoNik Inspectioneeringは、Elios 2は現在市場に出ている屋内点検ドローンの中でも群を抜いていると発表。点検業務における今後の活躍がますます他の楽しみです。