みなさんは、ロボットの最先端国家と聞いて、どのような国をイメージしますか?日本は何位ぐらいだと思いますか?
人とロボットが共存する未来に向けて世界ではさまざまな取り組みが行なわれている中、2018年度に、ロボットを始めとするオートメーション技術(Automation Technologies)や人工知能(AI)などの導入に向けた準備が最も進んでいる最先端国家をランキングで順位付けした報告書が発表されました。
ランキングの基準となった指標は「Automation Readiness Index(ARI)」と呼ばれ、ロボットなどのオートメーション技術を政治、経済、および社会に導入するにあたって、どれだけ対策を進めているかを数位で表したもの。
イギリスの経済誌「The Economist」の調査部隊であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)とスイス発の大手産業用ロボットメーカーABB社がまとめた報告書「The Automation Readiness Index (ARI): Who Is Ready for the Coming Wave of Innovation? 」によるARIのランキングは下記の通りです(下記の()内はARIのスコアを表しています)。
1位 韓国(91.3) 2位 ドイツ(89.6) 3位 シンガポール(87.2) 4位 日本(82.6) 5位 カナダ(81.8) 6位 エストニア(79.5) 7位 フランス(78.9) 8位 イギリス(73.1) 9位 アメリカ(72.0) 10位 オーストラリア(70.4)
上記ランキングの基準となったARIは、EIUが制定した指標。報告書では、ARIの数値が高いトップ25の国家を取り上げ、オートメーション化された社会に向けての取り組みを進めるにあたって特筆すべき対策や、直面している課題、今後の展望などをまとめています。
気になるARIのスコアは、下記3つの観点からオートメーション技術に向けた準備の進捗度を測り、3つの進捗度の総合平均点をもとに算出されています。
Automation Readiness Index(ARI)の基準
ARIの総合点では日本は4位に留まりますが、イノベーション環境の指標においては、日本は1位にランクイン。この指標は、イノベーションの創出に求められるインフラや研究、サポート体制がどれだけ政府より提供されているかを測るもの。報告書によると、日本が1位を獲得した理由としては、日本政府がAIの開発における国家予算の配分を増加している点などが挙げられるとのこと。
ロボットや人工知能を始めとするオートメーション技術の導入に向けて、各国がどのような取り組みをしているのか。詳しく知りたい方は、ぜひ下記を参照してみてください。
www.automationreadiness.eiu.com
人とロボットが共存できる社会に向けては、いかに高性能で最先端のロボットを作れるか、というイノベーション観点のみに固執するのでなく、人とロボットとの関わり方を考え、人とロボットの共存社会を導いていけるリーダーを輩出するための教育も重要。日本を始め、今後の各国の動向に注目です。